大腸内視鏡検査を行う一つの目的が、ポリープ切除を行うことです。大腸がんの成り立ちで最もポピュラーな経路がポリープからの発がんです。良性のポリープが年月を経て、がんになっていく・・・この経路がアデノーマ・カルチノーマ シークエンスと言われています。したがって、アデノーマ(腺腫のポリープ)を見つけて切除することはがんの予防につながるという訳です。ポリープとはイボ状のでっぱりの事なのですが、ポリープの中には腺腫だけでなく、将来にわたってがん化しないタイプのものもありますので、これらは放置し腺腫だけをとっていくことが望ましいです。そのために、内視鏡の機械を駆使して、腺腫とそれ以外のポリープを判別していく。そうして腺腫だけをとることを目指してやっています。しかし、この判別が難しいことがあって、その時は切除して顕微鏡の検査で判定してもらいます。(最近ではAIもポリープの判別に活躍し始めているようです・・・)
 とにもかくにも、大腸内視鏡検査をやってポリープを切除していくことが将来の大腸がんの予防につながることは間違いありません。ただし、すべての腺腫ががん化するわけではなく、できた腺腫がどれくらいの月日でがんになっていくのか・・・これは明らかではありません。一般的には10年近くかかるのでは?と言われていますが、今見つけた腺腫が果たして何歳なのかはわかりません。大きいものほど年月が経っていることは予想されます。でも小さいがんもあるしなぁ・・・。結局みつけた腺腫はとりつくすことがやるべきことであると考えています。
 他にもがん化の経路はあります。良性のポリープを介さず、直接がんができるケースもあるので、やっぱり定期的に内視鏡検査をやっていくことが大切だと思います。その間隔は・・・また今度お話ししようと思います。いろいろと難しいので・・・。

TM 内科・内視鏡クリニック