突然ですが、これまでお尻の拭き方って習ったことがありますか?顔の洗い方や歯磨きの仕方は親や学校で習った気がしますが、お尻の拭き方はどうでしょうか・・・。ひょっとしたら、遠い昔に親から習ったことがあるのでしょうか・・・。

 

今回はお尻の拭き方についてお話しします。というのも、最近お尻のトラブルが散見され、その多くが排便後のお尻の拭き方に問題があるように思えるからです。

 

トイレの後にお尻をどうするか。2つに分類されます。ウォシュレットを使う派と使わない派。水洗派と紙拭き派とします。

 

水洗派の注意点は、高い水圧で長時間洗うのはダメです。低めの水圧で2~30秒以内にしましょう。飛び上がるほどの水圧で洗い続けると、肛門の微妙な感覚が損なわれて、例えばおならと便の区別がつきにくくなって、失禁の原因になることもあります。長時間の水洗も同様です。サッと洗って、お尻についた水は紙でサッとふき取る。この拭き取りの時にゴシゴシとこすってはいけません。圧迫するようにして、水を吸収させるだけです。

 

紙拭き派の注意点は、何度もこすらないことです。お尻を何度も紙でこすると、いい紙を使っていても肛門がただれ、出血や痛み・かゆみの原因になります。2~3度ぬぐうようにやさしく拭いて、できれば仕上げはトイレに流せるようなウエットティッシュが良いです。お尻に便がついているのはよくないですが、ピカピカに磨き上げるように何度も往復させて拭くのはトラブルの原因になります。
皮膚と粘膜の境の肛門は、唇と同じような場所です。こすり過ぎたり、アルコール性のティッシュで拭いたり、中まで突っ込んで拭いたりしてはいけません。

TM 内科・内視鏡クリニック