アロマのチカラ
当クリニックでは内視鏡検査に力をいれていて、できるだけリラックスして楽に検査を受けていただきたいと思い、そのための工夫をしています。
その一つは以前にお話しした、鎮静剤・鎮痛剤の使用です。今ではどの施設でも行われているとは思いますが、うまく使えば薬による合併症を起こすことなく、安全に楽に検査を受けていただくことができます。
もう一つの試みはアロマテラピーです。アロマテラピーは、植物から抽出した香り成分である「精油(エッセンシャルオイル)」を使って、美と健康に役立てる自然療法と定義されます。クリニックで使用する目的は、心と身体のリラックス効果に着目して、緊張した心を和らげて少しでも楽に検査を受けられるようにするためです。スタッフの一人がアロマテラピーの資格をもっていて、いろいろとアドバイスをもらっています。テキストを借りて読んでみましたが、なかなか奥が深くて完全理解は困難です(笑)。でも植物の部位によって(花・果実・樹脂・葉・根など)役割(楽しい気分・リフレッシュ・癒し・抗菌など)が異なる精油が作られるなど興味深いです。
今、クリニックで使用しているアロマは3種類。ラベンダー、グレープフルーツ、ティートゥリーです。芳香浴法でガーゼに垂らして使用しています。いずれもリラックス効果のあるアロマですが、香りの好き嫌いもあると思います。看護師から提案があった時はぜひ試してみてください。ただし、アロマといえども絶対的安全ではありません。妊婦さんやアレルギーのある方は使わない方がよいものもありますので、相談してください。
薬物だけではなく、アロマのチカラも借りて楽に検査が受けられるように考えています。アロマテラピーの真髄は「Holistic」という考え方です。全体的な、包括的なという意味を持つギリシャ語由来の言葉で、人間を心と身体が一体になったものとしてとらえています。「ホリスティックケア」は当クリニックが目指すTotal Medicine(TM)とも共通するところと考えます。