前回の続きです。大腸内視鏡検査を受けにくくしている要因に前処置があると思います。
前処置とは検査の前のあの大量の下剤を飲むことです。下剤は腸管洗浄液ともいわれ、その名の通り腸の中を洗い流す作用の薬です。水道管を想像しましょう。口から洗浄液を流し込み、それが管の中をまわりまわって、最終的な出口のお尻から排泄されます。はじめは濁った水が排出されますが、管の中がきれいになってくると最後は清んだ透明の液体が排出されるようになり、洗浄が終了します。
腸管洗浄が不十分だと、検査の時に観察が難しくなります。きれいに洗浄されていると腸に残っている液体も透明で観察しやすいですが、残液が濁っていると内視鏡から水を注入して腸内を洗浄しながら検査を行うので、観察も難しいし時間も長くなります。まして固形の便が残っていたなら・・・。前処置が大切なのはわかるのですが、あの大量の液体を飲むのは・・・とよく言われます。
当院では下剤を3種類採用しています。従来通り2リットル近くの薬液を飲むものから、最近では薬液は500ミリリットルくらいで、そのほかに普通の(美味しい?)水やお茶を飲んで合計2リットルくらいにするものもあります。
後者の方が新しい薬剤で洗浄効果もよく、不味い?薬も量が少ないので比較的好評です。何度か検査をやったことがある方は、慣れた薬剤で行うことを希望される方もいます。検査予約の時にご要望があればお伝えください。

ともあれ、この前処置を行わなければ検査に到達しません。
数年に1度の検査でおなかの中の便を一掃する良い機会と考えて頑張ってみませんか?

医療法人社団盟久会