2021年の統計では大腸がん死亡数は肺がんに次いで第2位です。大腸がんは消化器がんの中では治りやすいと言えるがんで、その5年生存率は70%以上です。それなのに死亡数がそれほど減っていないのは・・・。かかる人の数が多いことと、やはり検査を受ける人の数が少ないからでしょうか。胃内視鏡検査に比べると大腸内視鏡検査はハードルが高いのでしょう。

一つは検査の部位の問題で、やはりお尻を出しての検査は気後れしてしまう・・・または検査が痛い・苦しいといった先入観があるからでしょうか。それならば検便による大腸がん検診はどうでしょう。こちらもあまり受診率は高くないようです。そして、便潜血陽性になったあとの精密検査の受診率もやはり低いようです。
胃がん同様に大腸がんも内視鏡検査で実際に見て調べることができるわけで、検査をしていればがんになることは防げなくてもがんで亡くなることは防げるはずです。大腸がんは主にポリープが大きくなることでがん化していくタイプで、内視鏡検査時にポリープを摘み取っていけばがんにならずに済むというのが理論的な話です。そして一昔前と比べると、内視鏡の機器も格段に進化していて、かつ我々内視鏡医の技術も進歩しているので、もはや痛くて苦しい検査には相当しないと思われます。

40歳を過ぎたら是非一度は大腸内視鏡検査を受けてみてください。発見切除されるポリープの数を見て次回以降の検査の時期を決めていきましょう。
ハードルが高くて超えられない方は、検便の検査は毎年受けましょう。陽性になった時は・・・覚悟を決めて内視鏡検査を受けてください。

がん治療も一昔前と比べて進歩しています。早期のがんであれば腸を切らずに内視鏡検査で切除手術を行うことができるようになってきました。是非検査を受けて大腸がんで命を落とすことがないようにしてください。

医療法人社団盟久会